余分な塩分を体外へ追い出す腸内細菌(乳酸菌)
2020/07/15
日本人は、世界の中でも塩分を多く摂る国民です。
厚生労働省の資料によると、塩分の摂取量が多い地域では、
脳卒中の発生率が高くなり、少ない地域では、発生率は低くなっています。
また、日本人に胃ガンが多いのは、塩分の多い食生活と関係が有るとも言われています。
食塩は、水に溶け、ナトリウムイオンと塩化イオンに分かれます。
ナトリウムイオンは、神経や筋肉の働きに重要な役割をします。
しかし、余分なナトリウムイオンと水分が血管壁の中に入り込み、
血管の内径を狭くし、結果、血圧を高くしてしまうのです。
腸内細菌の中には、このナトリウムイオンを効率よく吸収し、
余分な塩分を体の外へ追い出す菌が発見されました。
この菌が体内に数多く存在すると、かなりの塩分を体外に排泄されるのです。
普通のエサを与えたラットのグループと普通のエサと腸内細菌(AD株)を与えたラットのグループに分けて飼育しました。
そして、両グループの尿と糞をすべて採取し、その量とそれに含まれているナトリウムの量を測ってみました。
結果、普通のエサを与えられていたラットは、11.0gの糞から、6.5mgのナトリウムが検出されました。一方、普通のエサと腸内細菌(AD株)が与えられたラットからは、12.3gの糞から、9.1mgものナトリウムが検出されました。
腸内細菌は、摂り過ぎた塩分を私達の体内に吸収されるのを防ぎ、そして、体外に排泄する働きを持っています。